自己破産とは、借金を返済できなくなってしまった人が、裁判所に申立てを行って財産を清算し、借金をゼロにして、返済の義務を免れることができる手続きのことです。

■自己破産の要件
自己破産をするためには、二つの条件を満たしている必要があります。
一つ目は支払不能であること、二つ目は免責不許可事由にあたらないことです。

支払不能というのは、借金がいくらあったら支払不能に当てはまるという決まりはありません。生活状況や資産状況を総合的に判断し、将来的にも返済ができないと考えられる状態であれば、自己破産することができます。

免責不許可事由とは、財産を隠匿したり、クレジットカードで買い物したものをすぐに現金に変えたり、一部の貸金業者だけに偏った返済をしたり、ギャンブルや浪費が原因で借金を作ったりしたことです。これらに当てはまると、自己破産は認められません。
ただし、具体的な事情を考慮して免責をしてもよいと裁判所が判断した場合、裁量免責が認められます。裁量免責を認めるかどうかは、投資につぎ込んだ金額や取引の対応、手続きに協力してきちんと反省しているか等を総合的に評価して、判断されます。

■自己破産の申立
自己破産をするには、裁判所に対して、手続きを開始させるための申立てをする必要があります。

通常は、破産手続き開始の申し立てと免責許可の申立てが同時に行われます。
破産手続きは、破産者の財産を換価処分して、それによって得た金銭を債権者に弁済配当するという手続きです。
免責手続きは、破産手続きで支払いきれなかった債務について裁判所から免責を許可されて、支払い義務を免れることができるという手続きです。

自己破産の申立て(破産手続き開始・免責許可)の申立ては、法律で定められた管轄の地方裁判所に対して行われます。

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